運輸安全マネジメントの適切な運用が必要です。

令和6年2月21日、一般旅客定期航路事業者に対し、海上運送法第19条第2項に基づき「輸送の安全の確保に関する命令」を発出されました。

1.行政処分の年月日
令和6年2月21日(水)

2.事業者の名称及び管海官庁
名称:有限会社A
管海官庁:B運輸局

3.違反の概要
 令和5年9月、運航船舶「U」が、基準経路から逸脱して航行し浅瀬に乗り上げた。また、複数の船員の労働時間が複数回にわたり船員法の定める限度を超過していること、そして当該労働時間超過の要因が運航計画に起因するおそれがあることが判明した。その他、入港時等の連絡がされていないことが確認された。

4.命令の内容
(1) 安全統括管理者及び運航管理者は、安全管理規程第17条及び第18条に基づく自らの責務を再認識するとともに、事案の再発防止のため、同規定第50条に基づき、海上運送法をはじめ、関係法令及び安全管理規程等についての理解しやすい具体的な安全教育を速やかに実施し、その周知徹底を図ること。

(2) 経営トップは、事案の再発防止策を策定し、適切な安全管理体制を確立するとともに、事案の再発防止に向けて、安全管理規程第4条に基づき、輸送の安全を確保するため、関係法令及び安全管理規程の遵守と安全最優先の原則を徹底すること等について、主体的に関与し、安全マネジメント体制を適切に運営すること。

(3) 運航管理者は、安全管理規程第18条に基づき、船舶の運航管理及び輸送の安全に関する業務全般を統括し、安全管理規程の遵守を確実にして、その実施を図ること。また、基準経路の遵守を確実にするための具体的な措置を講じること。

(4) 運航管理者は、安全管理規程第22条及び第23条に基づき、運航計画、配船計画及び配乗計画の作成にあたって、船員の労働時間が法令で定めた上限を超過しないよう考慮するなど、その安全性の確保について検討すること。また、安全対策が実施されるまでの間、法令順守を前提とした減便を行うなど必要な対策を実施すること。

(5) 船長は、安全管理規程第31条及び運航基準第11条に基づき、入港した時は、必ず運航管理者に連絡すること。

5.生活及び地域経済の維持に必要な足の確保
  本命令の発出に際し、関係の地方公共団体、観光、商工関係者に対し、旅客船の安全の確保、離島住民の交通の足の確保、持続可能な観光・地域づくりなどに必要な総合的な環境整備について主体的に検討し、国や運送事業者と連携して必要な方策を講じていただくよう要請する。

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