全国地域及び各地方運輸局管轄地域では、昨今船員の最低賃金が改定されており、増額範囲も月7,200円となる適用業種もあります。そのような状況で事業者は、船員就業規則の変更や船員に対しても賃金改定があることについて十分に説明を尽くす必要があります。

最低賃金法違反被疑事件の書類送検

B運輸局は、有限会社Aと同社代表取締役及び常務取締役を最低賃金法違反の疑いでC地方検察庁に書類送検した。


                     記
1 事件の概要
有限会社Aは、船舶運航事業を営む事業主であるが、同社の代表取締役及び常務取締役は、B運輸局長が決定する特定最低賃金額の適用を受ける労働者2名に対し、船舶運航事業に使用する船舶に乗り組ませ、船舶の運航の作業に従事させながらも、令和4年10月から同年12月までの期間(約2カ月)における賃金について最低賃金額以上の賃金(少なくとも約25万円)を支払わなかったものである。

2  違反条文
有限会社A、代表取締役及び常務取締役ともに、最低賃金法違反
同法第4条第1項
同法第40条(罰則)
同法第42条(両罰規定)

【参考条文】
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)※抜粋

(最低賃金の効力)
第4条
 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
(第2項~第4項  略 )

(罰則)
第40 条
 第4条第1項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、50万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)
第42条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。


船員法(昭和二十二年法律第百号)※抜粋
(最低報酬)
第59条
 給料その他の報酬の最低基準に関しては、最低賃金法(昭和34年法律第137号)の定めるところによる。

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