ディズニーランド、ディズニーシーには、多くの「船」のアトラクションがありますね。
皆さんは、何が思いつきますか?
アトラクションとはいえ、船で人々を運送しているわけですから、海上と同じように安全に運航されることが求められます。
今回は、ディズニーランド、ディズニーシーの船のアトラクションにまつわる海と船の法律について、ご紹介します。
海上運送法に該当するアトラクションは、5つ
オリエンタルランドは、以下の5つのアトラクションが海上運送法に該当すると公表しております。
【ディズニーランド】ジャングルクルーズ、蒸気船マークトウェイン号、トムソーヤ島いかだ
【ディズニーシー】ディズニーシー・トランジットスチーマーライン、ヴェネツィアン・ゴンドラ
オリエンタルランドHP:海上運送法に伴う「安全に関する方針等」 | アトラクションの安全(東京ディズニーリゾート) | ゲストの安全・安心 | 社会 | サステナビリティ | 株式会社オリエンタルランド
海上運送法ってなに?
海上運送事業の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、海上運送の利用者の利益を保護するとともに、海上運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することに関する法律です。
海上運送事業といっても、内容は様々なため、海上運送法では、事業区分が細分化されており、それに応じて適用する内容が変わってきます。
国土交通省HP:000015274.pdf
アトラクションは、どの事業区分?
ディズニーランド、ディズニーシーのアトラクションが、どの事業区分に当てはまるのか、少し分かりづらいので、以下の図で読み進めていきましょう。
Q:一定航路と日程表に従って運送しますか?⇒NO 一定の航路はあるが、日程表はない
Q:貨物のみを運びますか?⇒NO 貨物は運ばない
Q:旅客13人以上ですか?⇒YES いずえも定員13人以上
Q:特定の者の需要に応じ、特定の範囲の人の運送ですか?⇒YES パーク内にいるアトラクションへの乗船希望者の運送
以上より、これらのアトラクションは、「人の運送をする不定期航路事業」に該当すると判断できます。
ついては、安全管理規程を定め、国土交通大臣に届け出ることや、安全統括管理者・運航管理者の選任も必要になります。
オリエンタルランドは、安全に関する方針等について、ホームページで公表しています。
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これらの船、登録はしているの?
総トン数20トン以上の船舶は、「不動産登記」と同じく「登記」の上、「登録」が必要になります。(船舶法)
一方、総トン数20トン未満の小型船舶は、「登録」が必要になります。(小型船舶の登録等に関する法律)
つまり、蒸気船マークトゥエイン号は「登記」と「登録」が必要で、ジャングルクルーズ、トムソーヤ島いかだ、トランジットスチーマーライン、ヴェネツィアン・ゴンドラは「登録」が必要なはずです。
大型船の「蒸気船マークトウェイン号」は、登記・登録をしている
大型船の蒸気船マークトウェイン号は、「船舶法」に基づき千葉県浦安市に船籍登録されています。
法令により船体に船名・船籍地名を表示しなくてはならないため、後方部をよく見ると、船籍港(浦安市)が標示されているはずです。
小型船は、登録免除
ジャングルクルーズ、トムソーヤ島いかだ、トランジットスチーマーライン、ヴェネツィアン・ゴンドラの小型船はというと、実は登録対象外とされています。
しっかり法律で、「ディズニーランド内の人工池」「ディズニーシー内の人工池及び人工水路」は登録対象外の水域と定められているのです。(小型船舶登録規則第二条第五号)
ディズニーランド、ディズニーシー以外にも、ユニバーサルスタジオジャパンなどのアミューズメントパークも対象外とされているんですね。
人工池、人工水路と記載されているのが、現実に引き戻されますが…
弊社は、「社会を支える船にもっと安全を 海と船の未来をもっと豊かに」を企業理念に、海上運送に関する安全管理支援や、海上運送法上の安全管理規程に基づく内部監査の実施支援をしております。
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