本日は、船舶リースといえば、この契約「オペレーティング・リース」についてです。

前回の記事【リースの一般的な契約形態!「ファイナンス・リース」について】も是非合わせてご覧ください。

「オペレーティング・リース」ってなに?

オペレーティング・リースは、「ファイナンス・リース以外のリース契約」を指します。

ファイナンス・リースの特徴は、二つありました。

つまり、オペレーティング・リースは、中途解約が可能で、フルペイアウトでないものといえます。

オペレーティング・リースを組む際、リース会社は、対象物件について、契約終了時の価値を査定し、その物件価格から査定金額を残存価格として差し引き、リース料を計算します

以下の図のように、物件価格の総額をリース料の対象としない(フルペイアウトではない)というのが、オペレーティング・リースの特徴になります。

オペレーティング・リースできる物件は限られている

オペレーティング・リースは、どんな物件でも契約できるわけではありません。

残存価格を差し引くわけですから、契約終了時の市場価値が見込めない物件は、オペレーティング・リースの対象とすることができません

<オペレーティング・リースできる物件例>

船舶/自動車/航空機/コンテナ/工作機械/建設機械など

「オペレーティング・リース」のメリットってなに?

公益財団法人リース事業協会が2021年1月に公表した「リース需要動向調査報告書」によると、オペレーティング・リースを利用している会社がリースに対して感じている主なメリットは、以下になります。

①事務管理の省力化が図れる

②設備導入時に多額の資金が不要である

③コストを容易に把握できる

船舶と相性がいいって、どうゆうこと?

船舶リースというと、このオペレーティング・リースを指すことがほとんどです。船舶をオペレーティング・リースすると、以下のメリットを享受することができます。

①費用負担が軽くなる

船舶は、リース契約終了時の市場価値が見込める場合が多く、残存価格を差し引いて、リース契約できることが多いため、残存価格分の費用負担が軽くなります。

②オフバランス効果がある

オペレーティング・リースにより利用している物件は、会社の貸借対照表に計上する必要がありません。(2025年2月現在)

物件を利用している一方で、オフバランスすることができるため、会計処理を単純化させ、また貸借対照表のスリム化をすることができます。

しかし、2027年4月から適用される新リース会計基準によって、オンバランスする必要が生じる他、取り扱いが変わるため注意が必要です。

③会計処理が楽になる

貸借対照表に計上する必要がなく、損金として処理することができるため、会計処理が楽といえます。(2025年2月現在)

こちらについても、2027年4月から適用される新リース会計基準によって、取り扱いが変わるため注意が必要です。

④柔軟な契約が可能

ファイナンス・リースと異なり、途中解約が可能なことや、耐用年数に問わず短期リースを組むことができるため、定期用船契約とリース期間を合わせるなど、柔軟な契約が可能です。

次回は…

昨今、節税のための投資先として船舶リースを利用する企業や個人投資家も多いようです。

次回は、投資としての一面を持つ日本型オペレーティング・リースについて、説明していきます。

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