みなさんこんにちは。一瀬汽船株式会社です。

本日のテーマは、「造船業再生ロードマップ」についてです。

政府は、日本成長戦略の一環として重点的に投資する17の分野を選定しました。その一つが「造船業」です。

それに基づき作成され、昨年12月26日に公表されたのが「造船業再生ロードマップ」です。

本日はこの「造船業再生ロードマップ」をわかりやすく解説していきます!

さて。我が国の造船業は、主に3つの点で重要です。

一つ目は、「地域経済」を支えるという点です。国内生産比率が約8割。地域生産比率9割以上であるのに加え、ほぼ全ての部品を国内調達しており、地域経済・雇用を支える産業です。

二つ目は、「経済安保」を支えるという点です。日本は貿易量の99%を海上輸送に依存しています。海に囲まれエネルギーや食糧等の物資を海外に頼る日本にとって海上輸送は必要不可欠です。また、内航海運は、国内貨物輸送全体の約4割を担い、我が国の国民生活と経済活動を支える必要不可欠なライフラインです。造船業は、海上輸送に使用する船舶を安定的に供給し、国民生活や経済活動を支える極めて重要な役割を担っています。

三つ目は、「海上警備」を支えるという点です。防衛省・海上保安庁の船舶の全てを国内で建造・修繕しています。安全保障の観点からも必要な産業といえます。

しかし、この造船業、現状低迷気味なんです。

建造量は、2019年の1,600万総トンから2024年には900万総トンまで落ち込みました。日本船主は竣工年ベースで概ね1,200万総トン前後の船舶を発注していますから、日本船主の発注需要を下回っていることになります。海外の造船所に頼らざるを得ない状況です。

また、世界シェアは、15%から16%で推移していましたが、2024年には8%に下落してしまいました。その反面、中国は世界の7割超の受注で市場支配力を強めています。

では、この低迷の理由はどこにあるのでしょうか。

一つ目は、韓国・中国の造船所と比べ、人数・敷地面積・生産量ともに事業所の規模が小さいということ。

二つ目は、鋼材・資材の高騰を背景に船価が高く、中国・韓国造船業との厳しい競争に勝てないということ。

三つ目は、人材不足が深刻化しているということです。

一方で、日本の造船業にはこんな期待が寄せられます。

それは、品質・性質面での優位性で、ゼロエミッション船をはじめとする次世代船舶で世界を主導していくということです。近年、水素燃料船やアンモニア燃料船などの開発が進んでいますよね。

以上を踏まえ、政府が打ち出した2035年造船業の目標は、以下の3つです!

・日本船主の船舶建造需要である1,800万総トンを建造する

・ゼロエミッション船など次世代船舶建造技術で世界を主導する

・国際社会における我が国造船業の役割を確立する

これらを実現するための具体的な取組みは5つ

・船舶建造体制の強靱化

・造船人材の確保・育成に向けた教育体制等の整備

・脱炭素化等を通じたゲームチェンジ

・安定的な需要の確保

・同志国・グローバルサウスとの連携

ロードマップにはより詳細な内容が時間軸と共に記載されていますが、最も注目されているのが、船舶建造体制の強靱化において2028年までに造船会社を1〜3のグループに集約するという点です。

事業所の規模が小さい日本の造成会社が、韓国や中国の造船会社と戦っていくためには業界の垂直・水平連携及び再編を進めていく必要があります。

2025年6月今治造船がジャパンマリンユナイテッドを子会社化の合意を発表し、これにより世界第4位の建造量を誇る規模になるわけですが、このような再編の動きが加速していくでしょう。

最後にこの「造船業再生ロードマップ」に基づき、2035年までに官民で1兆円規模の投資実現を目指すとされています。

造船大国ニッポン復活へ。国をあげての造船業再生が始まります!

そして、これを機に日本籍船が増えることに期待します。

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